悩みタイトル

加齢
年齢を重ねるにつれて膝に繰り返し外力がかかります。軟骨や骨にダメージが積み重なり、関節のクッションと潤滑剤の役割をする軟骨がすり減り、進行すると軟骨が無くなることもあります。

性差
女性に多い疾患であります。日本全国の変形性膝関節症患者は約2500万人いて、その中で女性は約1600万人で約70%が女性になります。

ホルモン
男性ホルモンであるテストステロンは筋肉の形成に深く関与していますが、女性の場合テストステロンの血中濃度は男性に比べて低く、筋肉の量も少ない傾向にあります。
膝周辺の筋力も男性よりも少なく、膝にかかる体重や負荷を筋力でしっかりとサポートすることが難しくなるため、女性は変形性膝関節症のリスクが高まると考えられます。
一方、女性ホルモンの一つであるエストロゲンは軟骨の形成に必須のホルモンです。
しかし、女性は閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が低下します。この閉経によるエストロゲンの減少は、変形性膝関節症の発症リスクを高める要因となり得ます。
また、骨の健康に関わる骨粗鬆症とも関連が指摘されています。女性ホルモンの減少は骨の密度を低下させるため、変形性膝関節症の進行につながる可能性があります。

身体的な特徴
女性特有の身体的特徴も影響していて、男性と比べ女性は骨盤が広く下肢の横揺れを支える筋力の中殿筋が男性に比べて弱いです。そのため横揺れの外力が加わりやすく、膝に負担をかけてしまいます。

肥満
年齢に関わらず発症する可能性があり、急激な体重増加は膝を痛めやすいので注意が必要です。
膝にかかる負担は、歩行時に体重の約3倍、階段昇降時には約7倍にもなります。体重が1kg増えると膝にかかる負担は約3kg、階段の昇降時は約7kg増えることになり、急激な体重の増加は変形性膝関節症の大きなリスクとなってしまいます。

変形性膝関節症に対する当院の考え

当院の施術は根本的なアプローチを重視しています。膝にかかる負担を軽減するため、肥満傾向のある方には体重の管理が効果が期待できる方法となります。
特に痛みを感じやすい方には、高強度の筋トレよりも低強度の有酸素運動が適しています。これに、体重管理を組み合わせることで、さらなる軽減が期待できます。

大腿四頭筋の筋力低下や、膝から離れた股関節周囲筋の筋力低下が多く見られます。
このため、股関節の伸展、外転、外旋の筋力トレーニングが必要となります。

また、インソールの利用も一考の価値があります。内側型の膝関節に対して、内側に傾斜するインソールを利用することで、O脚の進行を抑制することが期待できます。

しかし、膝関節の可動域が制限されているわけではなく、膝の屈曲時の痛みが問題の場合、歩行の方法や動作の中での体の使い方を見直すことが重要です。そのため、痛みのない歩行や、動作時の適切な体の使い方の指導を行っています。

変形性膝関節症を放っておくとどうなるのか

膝の痛みが起こると、立ち上がったり歩き始めることや30分以上の歩行、階段の上り下り、正座や脚を組むことなどが困難になることがあります。さらに、膝が腫れてくると動かす際に変な音がすることもあります。
これらの症状が見られる場合、変形性膝関節症が疑われます。

この状態を放置すると、膝の痛みが増して歩行が困難になったり、日常の動作に支障が出る可能性が高まります。特に、膝の筋力低下や体重の増加が進むと、膝の状態がさらに悪化する恐れがあります。

損傷した膝の軟骨は、自分自身でのケアが困難となります。そのため、できるだけ早めに専門の施術を受けることをおすすめします。

変形性膝関節症の軽減方法

施術の目的は、症状の軽減と関節機能の維持、または向上を目指します。
保存療法として、力学的な負荷を減らすための生活指導や、関節周囲の筋肉の訓練などの運動療法を取り入れます。
杖の使用も、特に荷重がかかる関節にとって有用です。変形性膝関節症の場合、足底板や装具の使用も考慮される施術法があります。

大腿四頭筋などの筋肉は、筋力トレーニングによって鍛えることができます。筋肉は関節への衝撃や負荷を軽減する役割を果たすため、鍛えることによって痛みの軽減や症状の進行抑制に繋がります。
変形性膝関節症においては、炎症や痛みを考慮しながら無理のないトレーニング方法を選択します。運動療法は膝関節の疾患の予防にも効果があり、将来的に手術を受ける際にも筋力の維持が役立ちます。

変形性膝関節症が進行すると膝関節周囲の組織が硬くなり、可動域が制限されることがあります。この状態を「拘縮」と呼びます。
膝の痛みなどがある場合、安静に過ごすことが多くなり、膝を動かさない状態が続きます。すると、拘縮が進み膝の可動域はますます狭くなっていくため、正座やしゃがむといった動作が難しくなったり、より重症になると、立つ・座る・歩くといった動作もスムーズにできなくなってしまいます。
このように日常生活に大きな支障が出ないようにするためにも、変形性膝関節症の人は膝を曲げるストレッチを行い、膝関節の可動域を広げることが大切です。

変形性膝関節症の軽減が期待できる施術メニューは?

施術の一環として、膝周囲の筋肉の緊張を和らげるために、まずは「筋膜ストレッチ」をお勧めします。筋膜ストレッチは、ハムストリング、中臀筋、大腿四頭筋などの筋肉を伸ばすことで、膝関節や股関節の動きをスムーズにし、変形性膝関節症の症状の緩和が期待されます。

「楽トレ」は、膝関節に負担をかけずに筋トレが行える方法として知られています。特に、変形性膝関節症で歩行が難しい方でも安心して筋力を向上させることができます。楽トレを腹部や大腿部に取り付けることでインナーマッスルや大腿四頭筋を効率よく鍛えることができ、変形性膝関節症の症状を軽減する効果が期待できます。

さらに、「足の極み」を行うことで、腓腹筋、ヒラメ筋、虫様筋などの筋肉をリラックスさせることができ、足関節のバランスを整えることが可能となり、変形性膝関節症の症状が軽減されていきます。

その施術を受けるとどう楽になるのか

「筋膜ストレッチ」を受けることにより、膝関節の筋肉の緊張を和らげることができます。特に、大腿四頭筋やハムストリングを伸ばすことで股関節や膝関節の可動域が広がり、日常の歩行や階段の上り下りがスムーズになります。

「楽トレ」を取り入れることで、膝関節周囲の筋力を増強することができます。
変形性膝関節症の対策として、膝をサポートする筋肉の強化が必要です。特に、大腿部の前面に位置する大腿四頭筋は、膝をサポートする主要な筋肉として知られています。
この筋肉を鍛えることにより膝への負担が減少し、痛みの軽減が期待できます。

「足の極み」を行うことで、O脚の原因となる足関節の内反を正すことができます。
足関節の位置を適切に調整することでO脚の自然な改善が促され、日常生活での膝への負担が軽減され、歩行が楽になります。

変形性膝関節症を軽減するために必要な施術頻度は?

当院では、日常の取り組みが大切と考えております。

ストレッチに関しては毎日の継続が効果の維持に繋がりますので、毎日の取り組みをおすすめしております。もちろん、毎日来院が難しいこともあると思いますので、ご自宅でも簡単なストレッチを行っていただくことをおすすめします。ご自宅でのストレッチは一般的な自重トレーニングを基本として、各種の動作を30秒間、3セット行う形を目安としております。

また、楽トレの施術に関しては、週に1~2回の来院を目安としております。
さらに、日常生活の中で痛みのない範囲での歩行や階段の上り下りも、日常の活動として積極的に取り入れていただくことをおすすめしています。プールなどでの活動がある方は、水中歩行を取り入れることでさらなる効果が期待できます。

足の極みに関しても継続が大切です。効果が薄れる前に定期的な来院をおすすめしています。

日々の生活の中でお身体のケアを継続していただくことで、より良い結果が期待できると考えております。